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次世代高周波磁気デバイスの研究

強磁性体中の電子スピンにマイクロ波磁界を印加すると,スピン波と呼ばれる集団運動が励起されます. 本テーマでは,このスピン波を情報伝送や論理演算に利用する新しい情報デバイスの実現を目指し理論,実験の両面から研究を進めています. スピン波の特長として,1) 電荷移動を伴わない情報伝送,2)波動の特徴を活かした位相情報処理,などがあり,これらの特長を活用することで,極限的な省電力性や並列動作性能を備えた,新しい情報デバイスの実現が期待されます.

マイクロ波アシスト磁気記録シミュレーション

高度情報社会の進展に伴い,データセンターからデジタル家電に至る様々な情報機器・システムにおいて,膨大な情報が蓄積されています.今後,生産される情報量は益々増大していくことが予測され,代表的なストレージ技術であるハードディスクに対しても飛躍的な技術革新が要求されています. 記録密度向上と記録エネルギー低減は,情報ストレージ技術が本質的に抱える大きな課題であり,その両方を満たす画期的技術の登場が渇望されています. 本テーマでは,数十GHzオーダのマイクロ波と記録ヘッド磁界との相乗効果を利用する新しい磁気記録技術を開発し,情報ストレージ技術のブレークスルーに挑みます.

超高速マイクロマグネティックシミュレータ開発

半導体微細加工技術の進歩によりサブミクロンサイズの磁性パターンが作製可能になったことや,コンピュータハードウェアの発達により実用的なサイズの磁性体を計算対象とすることができつつあるため,近年の磁性およびスピントロニクスの研究ではコンピュータシミュレーションが多く用いられています. しかし,磁化の動的挙動をシミュレートするには依然として長い時間を要するため,本テーマではGPUを用いて超高速なマイクロマグネティックシミュレータを開発しています.また,同時に時間並列計算法等のソフトウェア的なアプローチによる計算時間の短縮化を進めています.

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